これってセクハラ?自分がセクハラの加害者かもしれないと思ったらどうする?

2023.09.30

2023.09.30

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これってセクハラ?自分がセクハラの加害者かもしれないと思ったらどうする?

「セクハラ」とは

「セクハラ」とは「セクシャル・ハラスメント」の略で、性的な嫌がらせのことをいいます。1980年代から登場した新語で、1989年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で新語部門金賞を受賞しました。今やすっかり定着した感のある「セクハラ」ですが、いまだにセクハラによる告発は後をたちません。そう考えると、セクハラとはなにか、なにがセクハラにあたるのか、いまだにわかっていない人が多いのではないでしょうか。

「セクハラ」とは

日本で初めて企業にセクハラ防止を求める法律ができたのは1999年でした。この時施行された「雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保等に関する法律(通称:改正男女雇用機会均等法)」の第21条では、セクハラについて、

「職場において行われる性的な言動で女性労働者の対応によりその労働条件につき不利益を受けること、またはその性的な言動により当該女性労働者の就業環境が害されること」

と定義しています。ここでは女性労働者のみを被害対象としていますが、セクハラは男性から女性になされるものだけとは限りません。女性から男性というケースもありますし、同性間で生じるケースもあります。

その後、2007年の改正で男性労働者もセクハラの被害対象に含まれるようになりました。

改正男女雇用機会均等法の定義では少しわかりにくいので「広辞苑」の説明をみてみましょう。

「性にかかわって人間性を傷つけること。職場や学校などで、相手の意に反して、とくに女性を不快・苦痛な状態に追いこみ、人間の尊厳を奪う、性的な言葉や行為。性的いやがらせ」(『広辞苑』第六版)

このように、セクハラとは男女問わず、性に関わることで人間性を傷つけ、相手の尊厳を奪うような性的な言葉や行為、嫌がらせのことをさします。

具体的には、

  • 性的な関係を強要すること
  • 必要なく身体にさわること
  • 性的な事実関係を尋ねること
  • 性的な内容の情報を流布すること
  • わいせつなものを配布・提示すること

といった行為がセクハラとなります。

セクハラと認定されないために

ここまでセクハラが一般的になっているにも関わらず、セクハラの発生件数は減らず、むしろ年々増加傾向にあります。

その理由として考えられるのが、「悪気はなくふざけてるつもりだった」「合意の上だと思った」「相手が嫌がっていると思っていなかった」というケースが非常に多いことです。

実際、誰の目にも明らかな性的強要や、人権や人間の尊厳を傷つけるような悪質なケースはまともな職場ではそうそう起こることではなく、問題となる多くはそれがセクハラなのか微妙なケースだといいます。

当人にそんなつもりがなくても、その人の性的な言動が相手に不快感を与えたのであれば、それはセクハラになります。

セクハラが難しいのが、その判断基準が相手やタイミング、時期によっても変わること。例えば、食事への誘いひとつをとっても「しつこい」「いやらしい」「立場を利用して強要してくる」と思われるか、「うれしい」と思われるかで話は違ってきます。この判断を誤ると、自分でも気づかないうちにセクハラの当事者になってしまう可能性があります。

セクハラと認定されないためには、日頃から自分自身の言動に気をつけ、セクハラにつながる恐れのある言動をしないように意識する必要があるでしょう。そのためにはまず、職場では性的な言動は慎むこと。飲み会などの職場以外の席であっても、場を盛り上げるための下ネタなどは論外です。

また、相手の気持ちを考えて行動し、相手が嫌がっていると少しでも感じたら自制すること。「照れているだけ」「相手もきっと自分のことが好きなはず」や、年配の男性にありがちな「嫌がっているけど本当は喜んでいるに違いない」といった思い込みはかなり危険です。

セクハラしてしまったら、どうなる?

どんな事情があったにせよ、セクハラは決して許されることではありません。
もしあなたがセクハラの加害者になってしまった場合、以下のような処分が下される可能性があります。

  • 異動を命じられる
  • 自宅待機を命じられる
  • 懲戒処分となる
  • 退職勧奨される
  • 懲戒解雇される

このように、セクハラをしてしまうと、たいへん厳しい状況にとなる可能性があります。

もし自分がセクハラをしてるかもしれないと心当たりがある場合は、以下の行動をとってください。

  • まずセクハラをやめる
  • 自分の行為を振り返る
  • 反省し、謝罪する
  • 処罰を受ける

あきらかにセクハラに該当する行為を行なってしまっている場合は、すぐにやめてください。自覚がなくても「もしかして…」と思うのであれば、言動を改める必要があります。

その上で、自分の行為を振り返り記憶をできるだけ鮮明にしましょう。「以前のことなので」「酔っていたので」記憶が鮮明でないこともあるかと思いますが、こちらがなにも覚えていないとなれば、どんどん不利になってしまいます。

セクハラが確定してしまったら、十分に反省して素直に謝罪しましょう。そして処罰を待つことになります。

最後に

もし普段の自分の行為がセクハラなのか判断に迷ったり、セクハラしてしまったという自覚がある場合は、今後のことも考えて、トラブル解決のプロに相談することがおすすめです。

「トラブルなんでも解決屋」は、トラブル解決のプロフェッショナル。さまざまな分野の専門家が揃い、トラブルを親身に、スピーディーに解決します。

もしあなたがセクハラをしてしまっている、あるいはセクハラを訴えられてしまうような可能性がある場合はぜひ「トラブルなんでも解決屋」にご相談ください。