退職時にありがちなトラブル
きちんと引き継ぎを行わずに退職した
退職時に業務の引き継ぎを拒否され、業務が停滞してしまう、というケースは非常に多いです。
業務に関するノウハウが特定の従業員に集中しており、十分な引き継ぎが行われないままその人物が退職した場合、当然業務の遂行に支障が出ることでしょう。取引先の信用を失う事態にもなりかねません。
従業員が業務の引き継ぎを一切行わなかったために、会社に重大な損害が生じた場合、会社はその従業員に対し、損害賠償請求をできる可能性があります。
機密情報の持ち出し
営業秘密が流出する要因として最も多いのは、退職者による漏洩だと言われています。在職時に不満を持った従業員が退職の前から少しずつ機密情報を持ち出している、といったケースは珍しくありません。
顧客や取引先の情報などの企業秘密が外部に流出してしまった場合、営業上の損失が発生することはもちろん、企業の信用問題にも発展しかねません。厳正に対処していく必要があるでしょう。
退職後であっても、情報が不正に利用されていた場合、損害賠償請求等を行うことができるケースがあります。
貸与物が返却されない
パソコンや社用携帯、タブレット等の電子機器をはじめ、制服や鍵など、さまざまな備品を従業員に貸与していることでしょう。それらの備品を返却する前に従業員が退職してしまい、回収が困難になってしまうケースは珍しくありません。
電子機器類に関しては、高価であるのに加えて社内の機密情報が記録されていますし、制服や鍵については防犯や犯罪行為に関わる可能性がありますから、どれもきちんと回収する必要があります。
なお、「備品を返却しない場合、給与を差し止める」とすることは違法行為にあたるため、気をつけましょう。
横領が発覚する
退職時や退職後に、退職者が会社のお金を横領していたことが発覚するケースは珍しくありません。
経理担当者が会社の資産を自身の口座に振り込んでいたり、会社の備品を勝手に売却していたり、取引先の担当者ぐるみで横領していたりなど、従業員による横領は非常に増えています。
こういった場合、横領金の賠償請求ができます。また、退職金を支払っていた場合、退職金の返還を請求できることがあります。
インターネット上で悪評を拡散される
退職者が企業に不満を持っていた場合、口コミサイトやSNS等に会社の悪評を書き込まれることがあります。会社の内情をよく知っている人物の書き込みであるだけに、生々しい事実が書かれることが多いため、場合によっては採用活動や取引先からの信頼にも影響を及ぼすことでしょう。
あまりにも悪質な場合、書き込みを行った人物の特定をはじめ、名誉毀損を理由に削除請求や損害賠償請求を行うことができます。
社員の引き抜き
従業員や会社幹部が同僚・部下を引き抜き、競合となる会社を設立するケースも多いです。
内部事情に精通した従業員が同僚や部下を引き抜いて退職する場合、売上が減少してしまうのはもちろんのこと、退職した社員の穴を埋めるための採用や育成にかかるコストはかなりのものになってしまいます。
在職中に他の従業員の引き抜き行為が行われていた場合や、取締役等が引き抜き行為を行っていた場合、状況に応じて損害賠償を請求することができます。
退職後の訴訟
在職中の出来事にわだかまりを抱えて退職し、退職後に訴訟に踏み切るケースは珍しい話ではありません。過去に遡って残業代を請求されたり、在職中のパワハラ・セクハラを訴えられたり、解雇が不当であったと訴えられたりなど、さまざまな訴訟が起こっています。
会社側に全くの非がないにもかかわらず訴えられるケースもあります。在職中の待遇に不満を抱えていた場合など、退職後に一泡吹かせてやろうと考える従業員は少なくありません。
