M&Aにおける隠れたリスクとその対処法まとめ【実例解説】

2023.04.27

2023.09.21

法人トラブル

取引先の信用調査

M&A前に絶対に知っておきたい、隠れたリスクとその対処法まとめ【事例あり】

実際にあったトラブル事例

ここ数年、M&Aを行った後に買収先の不正が発覚し、買い手側に多額の損失が発生するケースが多発しています。M&Aは、事業成長にかかる時間を短縮できることに加え、人材やノウハウなど技術力の源泉を取り込むことができるなど、多くの利点があります。そういった背景から「自社よりも先に競合他社に買収されてしまうのではないか」、「もう二度と買収機会は訪れないのではないか」といった焦りが生まれ、冷静な判断ができずに不正の兆候を見逃してしまう企業も少なくありません。

 

中でも意外な落とし穴と言えるのは、役員が不可解な負債を抱えていた、幹部候補者員が部下へ行きすぎたパワハラを行なっていた、というような「人」に関するトラブルです。今回はそんなM&Aにまつわるリスクやトラブルについて、実際の事例を交えて解説します。

実際にあったトラブル事例

①M&A成立後に営業担当の架空取引が発覚したケース

買収元のA社は、B社の買収から数ヶ月が経った後、突然B社の主要取引先から損害賠償請求の民事訴訟を起こされてしまいました。訴状によって明らかになったのは、B社の営業担当が過去5年間にわたって取引先へ架空発注を行なっていたということです。その総額は数千万を超えており、結果としてA社が莫大な金額を伴う係争を背負うこととなってしまいました。

 

②経営幹部と反社とのつながりが発覚したケース

こちらはM&Aが成立する前に危険因子が浮上した事例です。

C社の買収を検討しているD社は、買収計画を進める中で、C社代表の人物像に関する悪い噂を耳にしました。その噂というのは、C社代表が暴力団との繋がりがあり、本人も過去逮捕されたことがあるといったものです。実際に調査を行ってみると、C社代表が暴力団幹部と定期的に会食を行なっていることが明らかになりました。さらに、C社代表は過去の経歴をネタに反社会的勢力に恐喝されているといった事実まで浮かび上がってきました。この結果を知ったD社は、買収するD社の信用失墜にも繋がってしまうため、直ちに買収計画を中止しました。

 

③社内のキーパーソンが買収後に辞めてしまったケース

M&Aを機に、買収先の重要なキーパーソンが辞めてしまうことも少なくありません。

もちろんM&Aの際にロックアップとして、一定期間キーパーソンとなる人物が在籍し続けるような条項を定めますが、完全に彼らの行動を縛ることは不可能です。

また、盲点なのは、高齢従業員の多い企業を買収した後、会社のキーマンであった人物が思わぬ病気などで働けなくなってしまいピンチに陥るケースです。

 

中小企業の場合、社内の重要人物一人のスキルや経験によって組織が支えられていることも珍しい話ではありません。たった一人のキーパーソンが何らかの要因で退職してしまった場合、それだけで事業が行き詰まってしまうこともあり得ます。

リスクを事前に回避する方法

ご紹介したようなトラブルを避けるには、買収対象となる企業のリスクを事前に調査するデュー・デリジェンス(以下、DD)を行うことが重要です。

DDといえば、財政状態に関する財務DDや、法律に関する法務DDが代表的ですが、前述の通り、人材に関するDDを行うことも必要不可欠といえます。

 

民間の調査会社に依頼し、経営者やキーパーソンの人物像を明らかにしておくことで、リスクを最小限に抑えることができます。

最後に

今回はM&Aにおけるトラブルの事例についてご紹介しました。M&Aを検討される方々にとって、安全にM&Aを進めていただくための一助にしていただけますと幸いです。

 

M&A前に十分な調査を実施しない、もしくは個人で実施した場合、相手企業が抱えているリスクが不明瞭なまま経営統合することとなります。結果的に想定外のリスクを引き受けてしまうことにも繋がりかねません。もちろん調査を依頼する際には各専門家への費用が発生しますが、安全なM&Aを行うための必要不可欠な経費だとお考えください。

 

なお、今回の記事でご紹介したような「人」に関するトラブルについては、企業信用調査をメインに取り扱っている調査会社であっても、尾行や張り込みの技術が甘いため詳細な調査を行えないケースが多いです。トラブルなんでも解決屋では、卓越した調査技術を持つプロの探偵によって反社チェックや人物調査等も実施しております。

 

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